春と
ここのところ、心地のよい気候が続いている。暖かな日差しと街のあちこちで舞っている桜の花びら。カレンダーの暦と体感の一致、新たなことが起こりそうな予感と、解放感、充実感。
日曜日の昼下がり、自転車に乗って近くの土手を走る。きっとどこまでも行ける、そんな気がしてくる。青が濃くない控えめな青空と自分の右手をゆく川の流れ。向こう岸に見えるお花見をしている人々。のどかな風景。
小さなこどもが僕の横をかけて、すれ違っていった。その子の後ろをのんびり歩く夫婦は微笑んでいる。きっとこの世の全ての親が必ずするであろう、ありふれたと言えばありふれた、しかしそれでいて至高の幸福の表れた顔、細めた目。そんな景色を横目に、自分があんなこどもだった過去の日々と、そんなこどもの背中を見つめながら微笑む、いつか訪れるであろう未来の日々を思った。そして、幸福を感じた。